【失敗しない】タミヤ ミラーペイントの塗り方と注意点を検証してみた
筆で塗っただけのプラスプーン。指がくっきり映り込むレベルの鏡になります
「メッキ調の塗料って気になるけど、高いお金を出して失敗したらどうしよう…」
「タミヤのミラーペイントって上級者向けって書いてあるけど、初心者でも塗れるの?」
「ミラークロームと何が違うの?どっちを買えばいいの?」
こんなお悩み、ありませんか?
先に結論から言います。タミヤのミラーペイントは、筆でペタッと塗るだけでもしっかり鏡になります。しかも塗膜(塗料の膜のこと)がめちゃくちゃ強くて、マスキングテープを貼っても剥がれません。
ただし正直に言います。下地に思いっきり左右される塗料です。サーフェイサー(塗装前の下地材)の上に塗るとミラーにならず、塗り方を間違えると曇った鏡になります。1瓶2,200円と高価なので、買ってから失敗すると結構ヘコみます。
この記事では、実際にスプーン・プラ板・ホイール・カーモデルのボディに塗って、「どうすればミラーになるのか」「何をやるとミラーにならないのか」を失敗例込みで検証しました。検証の様子は動画でも見られますので、まずはこちらをどうぞ。
タミヤ ミラーペイントとは?価格と注意書きをチェック
ミラーペイントはタミヤから発売された、塗るだけで鏡のようなメッキ調に仕上がる塗料です。グレーの塗料が乾燥すると、ミラー調に変化するという不思議な塗料なんですよ。
プライマーの箱にはびっしり注意書き。後ろに見えるのが今回検証するボディたちです
お値段はミラーペイントが2,200円、別売の専用プライマー(下地用の密着剤)が700円前後。合わせると3,000円近くになりますので、正直、気軽には買えない価格です。だからこそ失敗しないためのポイントを先に知っておいてほしいんです。
瓶にはハッキリ「上級者向け FOR ADVANCED USERS」の表記。ちょっとビビります
説明書きの重要ポイントをまとめるとこうなります。
・下地には必ずミラーペイント専用プライマーを使う(セット使用が前提)
・プライマーもミラーペイントも希釈済み。薄めずそのまま使える
・筆とエアブラシの両方で塗装OK
・厚塗り・塗り重ねすぎはNG(綺麗に仕上がらない)
・アクリル、エナメル塗料の上には吹き付け不可
・ラッカーやタミヤスプレーの上でも下地を傷めることがある
・ミラーペイントの上からクリアコーティングはできない
「上からクリアが吹けない」というのが結構大きな制約です。研ぎ出しでツヤを出す、という車モデルの定番の仕上げができないということですからね。
プライマーは「必ずセットで使用」と公式に書かれています。買うなら2つ一緒が確実です。正直に言います、下のリンクから在庫を確認するのが一番確実です。
【検証1】筆塗りでミラーになるのか?スプーンで実験
まずは一番気になる筆塗りから。プラスプーンを2本用意して、「プライマーあり」と「プライマーなし」で塗り比べてみました。上級者向けと書いてありますけど、筆塗りできるなら初心者でもいけるんじゃないかと思いまして。
ステップ1:プライマーを筆で塗る
プライマーはインクみたいなサラサラの黒。これを筆でスプーンに塗っていきます
プライマーはインクみたいなサラサラの黒です。筆で塗ると最初はムラムラなんですが、落ち着いてくるとムラがスーッと消えていきます。これは面白いですよ。新しい塗料はこういう発見があるから実験が楽しいんですよね。
塗りたてはこの通りムラだらけ。でも乾くにつれて勝手にムラが消えます
ステップ2:ミラーペイントを筆で塗る
ここで最初の失敗をやらかしました。薄く塗ろうとすると筆跡がベトベトッと残って、ミラーになりきらないんです。メーカーの動画では瓶に直接筆を突っ込んでベタッと塗っていたのを思い出しまして、多めに含ませてペタッと塗ってみました。
ミラーペイントを筆でペタペタ。塗った直後はまだ「ただのグレー」です
とてもミラーとは思えない色。ここから乾燥すると変化が始まります
塗った直後は「本当にこれが鏡になるの?」というグレーです。ところが乾いてくると、グレーだった塗面がどんどん鏡に変わっていきます。
乾燥後がこちら。筆塗りとは思えない鏡面です。筆跡も残っていません
すごくないですか?これ、筆で塗っただけですよ。指を近づけるとめちゃくちゃ綺麗に反射します。
・薄く塗ると筆跡が残って曇った鏡になる
・塗料を多めに含ませて、スーッとペタペタと置くように塗るのが正解
・ただしモッタリ盛りすぎると曇りが取れない部分が出る
・「薄すぎず、盛りすぎず」。一発でペタッと塗って触らないのがコツです
プライマーなしでもミラーになる。でも…
意外だったのが、プライマーなしでも普通にミラーになったこと。「じゃあプライマー要らないじゃん」と思うじゃないですか。ところが裏から見ると違いがハッキリ出ました。
裏から見ると一目瞭然。プライマーなし(手前)は銀色に透けて、プライマーあり(奥)は真っ黒です
プライマーなしは下が透けます。プライマーありは真っ黒で、ミラーに深みがあるんです。プライマーはプラスチックへの食いつき(密着)を助ける役割もありますので、塗装剥がれを防ぐ意味でも、やっぱりプライマーはしっかり塗った方がいいですね。
透け具合の比較。こうして並べるとプライマーの効果がよく分かります
【検証2】ホイールのリムに筆塗り。マスキング不要でメッキリム完成
次は実用編。カーモデルのホイールの外周(リム)だけ筆で塗ってみました。これ、マスキングしないで筆だけでリムが綺麗にメッキになるんだったら、作業効率がめちゃくちゃ上がるんですよ。
まずはリム部分にプライマーを筆塗り。マスキングなし、フリーハンドです
プライマーが乾いたらミラーペイントを重ねます。赤いホイールは塗装済みの上から挑戦
結果はご覧の通り。マスキングなし、筆だけでこのメッキリムができました。
内側レッド×外側メッキリム。鉄チンホイールなのにめっちゃかっこいい
内側が赤で外側がメッキ、これがかっこいいんですよね。ホイール、バイクのマフラー、ブレーキディスクあたりのワンポイントには最高の塗料だと思います。
【検証3】塗膜の強さテスト。テープを貼っても剥がれないのか
メッキ系塗料の最大の弱点は「触ると剥がれる」こと。ガイアノーツのミラークロームは塗装後に触ったりペタペタやっていると、どんどん剥がれて色が抜けちゃうんですよ。ミラーペイントはどうなのか、マスキングテープをテープの色が変わるほどベッタリ貼り付けて、さらに強力なセロハンテープでも試しました。
セロハンテープをベッタリ貼って一気に剥がします。ドキドキの瞬間
結果、全く剥がれません。ペッタンペッタン何度やっても剥がれない。これは正直ビックリしました。強靭です。塗り分けのマスキングができるメッキ系塗料というだけで、使い道が一気に広がります。
ホイールのリムにもベッタリ。こちらは乾燥が浅かったのか若干剥がれました。しっかり乾燥が大事です
テープには強いのに、擦り傷には弱いです。ティッシュでこすったら普通に傷がつきました。引っ掻きもダメです。「貼っても剥がれないけど、こすっちゃダメ」と覚えておいてください。あと、乾燥が浅い状態だと下地ごと剥がれるケースもあったので、下地をしっかり乾かすのも大事です。
【検証4】エアブラシ塗装。ここで大失敗しました
続いてエアブラシです。サーフェイサーを吹いたプラ板と何もしていないプラ板を用意して、プライマーあり・なしを含めて塗り比べてみました。
エア圧は0.06MPa(低めの圧力)。これでバッチリ吹けました
希釈済みでそのまま吹けるのは本当にありがたいです。希釈って面倒ですからね。プライマーはプラ板に吹いても塗料が逃げず、ムラなく綺麗に広がってくれます。さすが「プライマー」というだけあります。
プラ板にプライマーを吹き付け。普通の塗料と違ってブニャーッと逃げません
失敗例:サーフェイサーの上に吹くとミラーにならない
ここで一番大事な失敗談です。サーフェイサーを吹いたプラ板の上にプライマー→ミラーペイントと重ねたところ…ミラーになりませんでした。
サフの上だとこうなります。蛍光灯だとゴールド、LEDだと銀に見える不思議な質感
光によってゴールドに見えたり銀色に見えたりする、ステンレスの板みたいな質感になります。これはこれでロボットモデルの金属表現には使えそうなんですが、鏡にはなりません。プラモデル塗装の常識で「まずサフを吹いてから」とやると失敗するということです。ここ、本当に注意してください。
成功パターン:ふわーっと優しく塗り重ねる
いろいろ試した結果、エアブラシで一番ミラーになったのは「ビシャッと一気に吹かず、ふわーっと優しく当てて、ミラーになってきたのを確認しながら2〜3回塗り重ねる」方法でした。吹き方はほぼミラークロームと同じ感覚ですね。
プラ板がここまで鏡に。反射で作業ブースが映り込んでいます
逆にビチャーッと厚く吹くと、垂れたりベトベトしたり、表面がゆらゆらした鏡になります。一応ミラーにはなるんですが、平滑な鏡面を出すならふわーっと塗り重ねる方が確実です。
・エア圧は0.06MPa前後でOK、希釈不要
・サーフェイサーの上はNG。プラに直接、または専用プライマーの上に塗る
・ふわっと優しく、ミラー化を確認しながら2〜3回重ねる
・一気に厚吹きすると垂れ・曇りの原因になる
・洗浄は普通のラッカー溶剤(ラピッドシンナー等)で落ちます。専用クリーナー必須ではありません
【検証5】カーモデルのボディに塗装&ミラークロームと比較
最後に本命、ランエボのブラックボディに塗ってみました。まずプライマーを全体に吹くと、この時点でピアノブラックくらいのツヤッツヤになります。
プライマーを吹いた直後のボディ。この時点でピアノブラック級のツヤです
そこにミラーペイントをふわーっと重ねていくと…めっちゃメッキミラーです。若干曇っている感じはありますが、ここまでメッキになれば全然アリじゃないでしょうか。
ミラーペイント塗装後のボディ。EVOLUTIONのロゴまで映えるメッキミラー感
ガイアノーツ「ミラークローム」と並べてみた
以前ミラークロームで塗ったエボと並べて比較してみました。左がタミヤのミラーペイント、右がガイアノーツのミラークロームです。
左:タミヤ ミラーペイント/右:ガイアノーツ ミラークローム。質感の違いが分かります
ミラークロームは黒の下地が生きて深みのある金属感、ミラーペイントは鏡そのもののミラー感。ここは完全に好みです。ただ、塗膜の強さは比べものになりません。ミラークロームはティッシュで拭うだけでこの通り剥がれてしまいます。
ミラークロームはこすると色が抜けていきます。ミラーペイントとの一番の違いがここ
| 比較項目 | タミヤ ミラーペイント | ガイアノーツ ミラークローム |
|---|---|---|
| ミラー感(鏡っぽさ) | ◎ 完全にこっちが上 | ○ キラキラ感は強い |
| 色の深み | ○ やや軽め | ◎ 黒下地が生きて深い |
| 塗膜の強さ | ◎ テープでも剥がれない | △ 触ると剥がれ・色抜け |
| クリアコート | × 不可 | △ 曇りやすい |
| 擦り傷 | △ 弱い | △ 弱い |
| 価格 | 2,200円+プライマー約700円 | 1本で使える分お手頃 |
正直レビュー:良かった点・気になった点
・筆塗りでもここまで鏡になるメッキ系塗料は初めて
・塗膜が強靭。マスキングテープOKなので塗り分けができる
・希釈済みでそのまま使える。洗浄も普通のラッカー溶剤でOK
・マスキングなしの筆塗りでメッキリムが作れて作業効率が上がる
・プライマー込みで3,000円近い。気軽には買えない
・サーフェイサーの上はミラーにならない。下地に超影響される
・上からクリアが吹けないので研ぎ出し仕上げはできない
・擦り傷には弱い。完成後もこすらないよう注意
・「これが正解」という吹き方をつかむまで練習が要る。上級者向け表記は伊達じゃないです
果たして3,000円近く払ってこの輝きを得る必要があるのか。そこは自分の作りたいプラモデルに合わせて判断していただければと思います。私はホイール、バイクのマフラー、ブレーキディスクあたりに使いたいですね。ワンポイントで使うなら1瓶でかなり長く使えるはずです。
比較で使ったガイアノーツ「プレミアムミラークローム」はこちら。深みのある金属感が好みならこっちです。
タミヤ ミラーペイント+専用プライマーのリンクはこちらから。
▲ ミラーペイント+プライマーを見るまとめ:ミラーペイントで失敗しないための5か条
- サーフェイサーの上に塗らない。プラ直 or 専用プライマーの上に塗る
- 筆塗りは多めに含ませてペタッと置く。薄塗りは筆跡が残る
- エアブラシはふわーっと優しく2〜3回。一気吹きは垂れる
- プライマーなしでもミラーにはなるが、透け・剥がれ対策にプライマーは塗る
- 上からクリア不可・擦り傷に弱い。完成後はこすらない
正直、簡単な塗料ではありません。でも、コツさえつかめば筆1本でスプーンが鏡になるのは感動ものです。「メッキ塗装はエアブラシがないと無理」と諦めていた方こそ、ぜひ一度試してみてください。
もし「私はこう塗ったら鏡のようにピカピカになりましたよ」という方がいらっしゃいましたら、動画のコメント欄で教えていただけると助かります。他の方の参考にもなりますのでね。
検証の様子は動画で全部見られます
チャンネルでは「失敗しない塗装」をテーマに、ムラ・クリア・デカール・研ぎ出しのリカバリー方法を発信しています。
